ドラマの原作本「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー

公開日: : 最終更新日:2017/02/23 テレビドラマ, 弱くても勝てます

勉強はできるけれども、野球はヘタ。超進学校の、へっぽこ野球部が体力ではなく知力を活かして、強豪校を打ち負かす(予定の)学園ドラマ「弱くても勝てます(青志先生とへっぽこ高校球児の野望)」が初回13.4%の視聴率を記録して順調な滑り出しを切った。
参考:【弱くても勝てます】第一話のあらすじの振り返りと感想。

ちょうど良い機会なので、原作本のレビューを記します。原作を読みながらドラマを見るもよし。ドラマを見終わってから原作に触れるのもまた趣深いと考えます。

ドラマでは、麻生久美子演じるジャーナリスト利根璃子。
原作は、彼女の役どころであるジャーナリストの視点から、進学校の弱くても勝てる野球のセオリーを追っています。
原作本の著者を演じる麻生久美子
画像出典:モデルプレス

原作とドラマとの相違点

原作の誇張や拡大解釈はテレビドラマの宿命でもある。以下にいくつかの原作とドラマとの相違点を記します。

原作のへっぽこ野球部は開成高校野球部

原作に登場する進学校の高校野球部は、東大生を多く輩出する超エリート進学校、開成高校。

東京の西日暮里に校舎を構える同校は、偏差値78で全国でも1位(もしくは2位)にランキングされる。高校偏差値ナビによると東大合格実績で一位となっている名門中の名門だ。

また、中高一貫校の男子高校であるため、残念ながら有村架純演じる女子マネージャーの存在はない。
開成高校
画像出典:Wikipedia[開成高校]

監督は母校の卒業ではない

二宮くん演じる田茂青志は、母校である小田原城徳高校に赴任して野球部監督を務める。しかし原作に登場する開成野球部監督、青木秀憲氏は開成高校野球部出身ではない。開成高校卒業でもなく、群馬県太田高校を卒業後、東大に入学している。

彼は東大野球部に入部するも、すぐに自分が通用しないことを実感して選手をやめてマネージャーになる。通用しないと感じた根拠は、圧倒的に打力が足りなかったからだ。

六大学で自分の力を試してみたいと思ったんですが、野球部に入部してすぐ通用しないことがわかりました。打てないと使いものにならない。それも他の5大学のエースを打ち崩すくらいの打力がなければいけない。バントしかしない選手は出場できなんです。

ちなみに、長年のライバル校である堂東学院も、過去の因縁がある市川海老蔵演じる谷内田健太郎の存在もありません。
弱くても勝てます、主演の二宮くん

原作にみる弱者の兵法

開成高校野球部の練習時間は、わずか週に一度、グラウンドを使った練習があるだけ。これは高校野球部としては極端に短い。甲子園常連校ともなれば野球部専用のグラウンドはナイター設備も設けられて、曜日に関係なくよる遅い時間まで練習することができる。

そもそも小さい頃からリトルリーグで活躍していた野球エリートを、全国から集めてきてチームをつくる強豪校とは身体能力にも大きな差がある。彼らは勉強に関しては小さい頃から神童と呼ばれるほどであった子どもたちであったはずだが、運動神経は普通なのである。

そんな彼ら野球部が強豪校と渡り合う、いや強豪校を打ち破るセオリーは、やはり一般的なものではないらしい。

打順において一般的なセオリーは、一番が足の速い選手、二番にバントなどの小技ができる選手でランナーを送り、3・4・5番に強打者を並べることでランナーをホームに返すというもの。しかし、開成野球部ではそのセオリーは通用しない。「そこで確実に1点をとっても、その裏に10点取られてしまう。」この一般的なセオリーは「相手の攻撃を抑えられる守備力がある」という大前提が必要だ。だから開成高校野球部は10点取られる前提にたって、一気に15点取る打順と戦略をとっている。

具体的に言うと、1番から強い打球を打てる選手、2番に最も打てる強打者を据える。また、基本的にバントはしない。常にフルスイングで強打を狙っていく。
ヒットが出れば積極的に盗塁で次の塁を狙い、対戦相手が浮足立った隙を突いてドサクサに紛れて、一気に10点以上得点するのが開成高校の野球だ。

ハイリスク・ハイリターンのギャンブル

開成高校の場合、このギャンブルを仕掛けることがなければ勝つ確率は0%だという。しかし、ギャンブルを仕掛ければ活路が見いだせる。1%の確率を10%に引き上げることができれば大進歩だと、青木監督は原作本のなかで語っている。

すごく練習して上手くなってもエラーをすることはあります。逆に、ヘタでも地道に処理できることもある。
1試合で各ポジションの選手が処理する打球は大体3~8個。そのうち猛烈な守備練習の成果が生かされるような難しい打球は1つあるかないかです。我々はそのために少ない練習時間を割くわけにはいかないんです。

監督が、ナインに求めているものは試合が壊れない程度に運営できる守備力

鉄壁の守備を実現するためには、膨大な時間を要する。一方で打力に関しては、もっと少ない時間で野手の間を抜ける当たりを打つコツをつかむことができるという。

開成高校の場合、勉強に取られる時間や他の部活との兼ね合いで練習時間は短くならざるを得ない。少ないリソースを最大限活かそうとしたら、守備練習は最小限に抑えて、高いリターンを得られるバッティングに重きを置くようにするのは自然の流れといえる。今風に言うなれば資源の集中だ。

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